住宅欠陥でカビが発生する理由とは?見えない不具合の原因と対処法を解説2025.12.10
ご自宅の壁や床にカビを見つけると、掃除不足や湿気が原因だと思いやすいですが、建物の内部で不具合が起きている場合もあります。
壁の裏側に湿気が閉じ込められていたり、換気や断熱のバランスが崩れていたりすると、カビが育ちやすい環境になりがちです。
カビは驚くほど広がりやすく、早期の対処を行わないと、臭いの発生や建材の劣化を引き起こしてしまいます。
本記事では、住宅欠陥がカビにつながる仕組みや対処法についてご紹介します。
家に広がるカビは“見えない不具合”のサインかも

カビは築年数の長い家だけで生えてくると思われやすいですが、新築や築浅の住宅でも発生することがあります。
施工時に湿気が残ったまま壁をふさいでしまったり、断熱材の配置が不十分だったりすると、完成直後でも壁の内部が湿った状態になり、カビが育ちやすくなります。
カビは目に見えない場所で広がりやすく、室内に臭いが残ったり、木材の耐久性が落ちたりすることもあります。
小さな黒い点やうっすらとしたシミでも、建物内部に何か問題が起きている可能性が高いため、早期の対処を行うことが望ましいです。
カビが生えてしまう住宅欠陥のトラブルとは
家の中でカビを見つけた場合、湿気だけでなく建物の造り自体に不具合が生じているかもしれません。
壁の内部や換気、断熱の状態にトラブルがあると、気付かないところでカビが広がりやすくなります。
H3.壁内に湿気が溜まる
壁の内部には断熱材や下地が組み込まれており、外からは様子を見ることができません。
壁の空間に湿気が入り込んで逃げにくくなると、空気がこもって水分が残りやすくなります。
湿度が高い状態が続くと、壁紙の裏側や石膏ボードに水分が染み込み、カビが育ちやすい環境が生まれてしまいます。
防水シートの施工が甘かったり、壁に小さなすき間があったりすると、雨水や外気の湿気が入り込みやすく、短期間で黒カビが広がることもあります。
換気不足で湿度が下がらない
住宅の換気システムには、本来なら湿気や汚れた空気を外に出す役割を備えています。
しかし、換気扇の取り付けが間違っていたり、風量が不足していたりすると、湿った空気が外に出ず、家の中に留まってしまいます。
特に床下や壁の内部など、空気が動きにくい場所では湿気が残りやすく、カビが育ちやすいです。
冬場は換気が不十分だと結露も起こりやすく、天井や壁にカビが広がるきっかけになります。
断熱不足で室内に結露が起きる
断熱材が不足している部分では、外の冷たい空気が家の中へ伝わりやすくなり、温度差で結露が発生します。
結露は窓の水滴だけでなく、壁の中や床下など見えない場所でも起きるため、水分が逃げにくい状態が続くことで、カビが生えてしまうのです。
断熱材のすき間や施工ミスがあると、一部だけ急に冷え込む場所ができ、そこからカビが広がることもあります。
外壁や屋根から雨水が入り込む
外壁や屋根にひび割れや防水処理の不具合があると、雨水が室内に少しずつ入り込んでしまいます。
内部に水分が残ると、断熱材や木材が湿ったままになり、カビが繁殖しやすい状態となります。
外側が乾いて見えても、壁の内側では水が溜まっているケースもあり、壁紙の浮きやシミとして表れることがあります。
サッシまわりの施工不良
窓まわりは外気の影響を受けやすく、施工面に不備が見られると、カビが生えてきやすい状況になりがちです。
サッシと壁の間にすき間が残っていると、外から湿気や雨水が入り込み、壁の内部や窓枠付近に水分が溜まりやすくなります。
防水テープや気密シートの貼り方が不十分だと、水分が侵入して結露やカビが発生しやすい環境になります。
【場所別】住宅の不具合で起きるカビの特徴
カビが生えてくる原因は、場所によってそれぞれ特徴が異なります。
壁・天井・押し入れなど、カビの特徴によって建物の状態を推測しやすくなります。
壁の黒ずみ・浮き
壁の表面に黒ずみや浮きが見える場合、壁紙の裏側や石膏ボードに水分が入り込み、内部でカビが広がっている可能性があります。
壁の中では断熱材や配線などが組み込まれており、湿気がこもると乾きにくい状態です。
防水シートの施工が甘かったり、外壁から雨水が浸入することで、湿度が高い環境が続き、壁の内部でカビが育ちやすくなります。
天井のシミやカビ
屋根や天井裏で湿気が溜まっているときに、天井のシミやカビは生えてきやすいです。
屋根材の劣化や防水処理の不備によって雨水が入り込むと、天井裏の木材や断熱材が水分を含んだままになり、シミとしてカビが生えてしまうのです。
天井裏の湿気は見えない場所で広がりやすく、天井板のたわみや変色にもつながります。
床下のカビや木材の傷み
床下は通気が確保されていないと湿度が上がりやすく、カビが発生しやすい環境になりがちです。
配管の漏れや、地面からの湿気の上昇によって水分が溜まると、木材が常に湿った状態になり、腐食やカビによる変色が進行します。
断熱材に水分が吸い込まれると乾きにくく、床全体がひんやり感じられることもあります。
押し入れの奥にこもる湿気とカビ
押し入れは空気の流れが弱く、木材や布団などの湿気を吸い込みやすいものが置かれるため、湿度が上がりやすい場所です。
外壁側に配置された押し入れは、外との温度差で結露が起こることがあり、壁の内部から湿気が伝わってカビが生えるケースもあります。
収納を詰め込みすぎると置くまで空気が届かずに、カビが広がりやすい環境が作られてしまいます。
窓の結露と黒カビ
窓ガラスやサッシは外気の影響を受けやすく、温度差によって結露が発生しやすい場所です。
水滴が窓枠やゴムパッキンに長く残ると、黒カビが繁殖しやすい状態になります。
断熱不足や通気の悪さによって急に冷え込むことで、結露の量が増え、木枠や壁紙にまで湿気が広がることがあります。
また、サッシと壁のすき間に問題があると、外から湿気が入り込む場合もあります。
水回りに生えてくるカビ
浴室や洗面所、キッチンなどの水回りは、日常的に大量の水蒸気が発生し、湿度が高くなりがちです。
換気扇の能力不足や排気方向の誤りがあると、湿気が外に出ずに残ってしまい、壁や天井のすき間に水分が入り込みます。
排水管からの湿気や、水漏れがある場合も、床下まで湿気が広がり、カビの繁殖が続く原因になります。
「住宅欠陥かもしれない」と判断できるカビの生え方

建物に不具合が生じている場合、カビの生え方にも特徴が現れることがあります。
それぞれの特徴を押さえておくことで、建物の状態を判断する手掛かりにもなります。
掃除してもカビが生えてくる
表面を丁寧に掃除しても短期間でカビが戻ってしまう場合は、建材の内部や壁の裏側に湿気が溜まってしまい、根のように広がったカビが残っている可能性があります。
表面だけを拭き取る方法では、建材の奥にある菌糸まで届かず、湿気が続く環境ではカビがすぐに生えてしまうのです。
特に、壁紙の裏や床下、窓枠などは湿気がこもりやすく、小さな雨漏りや結露が繰り返されることで、内部でカビが育ちやすい状態になります。
特定の場所だけにカビが発生する
家の中で同じ場所にだけカビが現れるときは、特定の部分に湿気が集中する原因があることが多いです。
外壁に面した壁や北側の部屋、配管の近くなどは、結露や水漏れが続き、知らないうちに建材の内部が湿った状態になっていることがあります。
家具を壁に密着させている場合も、背面に空気が流れず湿気が溜まりやすくなります。
見た目では気付きにくい場合でも、壁紙の裏や床下では広い範囲にカビが広がっているケースもあります。
築浅なのにカビが生えてくる
築年数が浅い家でカビが発生する場合、施工時の乾燥不足や換気の不具合が影響していることがあります。
建築中に木材や断熱材がしっかり乾かないまま仕上げまで進むと、内部に残った湿気がカビとなって現れます。
さらに、気密性の高い住宅では、湿気が逃げにくく、壁内や床下で結露が起きやすい構造になっていることがあります。
引き渡し後の入居で、室内に残った水分が抜けきらずにカビが生じるケースもあります。
築浅でのカビは、建材や構造部分に何らかの湿気要因が潜んでいる可能性を示しており、内部の状態を確認することが大切です。
壁紙の変色・膨らみ・カビ臭がある
壁紙の一部が黄ばんだり、浮くように膨らんだり、部屋の中に湿ったような臭いが続く場合は、壁の裏側でカビが広がっていることがあります。
壁の内部で結露が繰り返されると、断熱材や下地のボードが湿気を含み、そのまま乾き切らない状態が続きます。
目に見える変色や臭いは、内部の変化が表に出てきたと判断できるため、放置すると下地材が傷むこともあります。
家族の体調に気になる変化がある
咳が長引く、鼻がムズムズする、朝起きて喉が乾燥しているなどの体調の変化が続くときは、空気中にカビの胞子が漂っている可能性が考えられます。
壁の裏や床下などに広がったカビは、空気中へ胞子を放出し、アレルギー症状や倦怠感の原因になることがあります。
小さな子どもや高齢の家族がいる場合は、カビの影響が出やすいため、細心の注意を払うようにしましょう。
自宅でカビを見つけたときの対処法
ご自宅でカビを見つけたときには、現在の状態を把握し、調査や補修を行うようにしましょう。
ここでは、ご自宅でカビを見つけたときの対処法をご紹介します。
現在の状態を写真で記録する
カビを見つけたときは、現場の状態を写真で残しておくことが大切です。
壁・天井・床などのどの部分にカビが発生しているか、カビの濃さや広がり方がどうなっているかを、出来るだけ明るい場所で撮影します。
近くからの写真だけでなく、部屋全体の様子が分かる写真も撮影すると、後から原因を判断しやすくなります。
また、カビの位置や大きさを正確に伝えるために、メジャーやスマートフォンを横に置いて撮影する方法も役立ちます。
建築の専門家に調査をお願いする
ご自宅にカビが生えてきている場合、建築の専門家に調査を依頼しましょう。
専門家は湿気の溜まりやすい場所や換気の状態、建材の傷みなどを確認し、表面に見えるカビだけでなく、奥に潜む原因まで調べ上げます。
天井裏や壁の内側、床下など、普段見えない場所にカビが広がっていないか調べることで、再発しやすい状況かどうかを見極めることができます。
雨漏りや結露、断熱の不足といった建物の不具合が関わっているケースでは、表面だけの掃除では改善しないため、早期の専門調査が有効です。
補修を行って再発防止を進める
調査によってカビの原因が判明した後は、発生箇所だけでなく周辺の建材も含めて補修を進めます。
湿気が溜まっている場所では、断熱材の交換や通気の改善が必要です。
雨水が入り込んでいた場合は、防水処理のやり直しや外壁・屋根の補修が求められます。
また、防カビ塗料やコーティングを施すことで、カビの再発リスクを抑えやすくなります。
まとめ
住宅で発生するカビは、生活環境だけではなく、建物の構造や施工が影響している場合があります。
壁内の湿気、換気不良、断熱の不足、外壁からの雨水の浸入などが原因になると、表面の掃除だけでは改善しません。
住まいの安心を守るためにも、気になることがあれば、必要に応じて専門家へ相談してみてください。






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