床下点検で見つかる施工不良の主なパターンとは?施工不良の原因や対応方法を解説2026.02.09
床下点検で施工不良が見つかることは珍しくありません。
断熱材の脱落、基礎のひび割れ、配管のミス、廃材の放置、防腐処理の不備など、完成後に確認しづらい場所だからこそ見過ごされやすい不具合があります。
本記事では、施工不良が起こる理由、具体的なパターン、見つけたときの対応方法、施工会社が動かない場合の相談窓口まで順番に解説します。
床下の施工不良が起こりやすい理由

床下は完成後に確認しにくい場所です。
工期の都合や検査体制の不備が重なると、施工不良が見過ごされやすくなります。
完成後は誰もチェックできない
床下は家が完成すると点検口からわずかに覗ける程度で、全体を目視で確認するのは困難です。
引き渡し前の内覧会でも、床下に潜って細部まで確認する施主はほとんどいません。
床板が張られた後は物理的に作業状況を確認できないため、施工中に手抜きがあっても発覚しにくい構造になっています。
工事中の写真を撮影する工務店もありますが、全ての工程を記録しているとは限りません。
そのため、施主が後から検証できる判断材料が残らないケースも多く見られます。
工期に追われて作業が雑になる
住宅建築は全体のスケジュールが決まっており、各工程に割り当てられる日数には限りがあります。
天候不良や資材の納期遅れで予定が遅れると、床下作業のような「見えない部分」が調整の対象になりやすく、本来必要な時間をかけずに次の工程へ進んでしまう場合があります。
下請け業者も複数の現場を掛け持ちしていることが多く、納期を守るために作業を急ぐことは珍しくありません。
配管の接続や断熱材の設置など、丁寧さが求められる作業が短時間で済まされると、施工不良につながることもあります。
検査体制が不十分
住宅の完成検査は主に建築基準法に基づく完了検査と、施工会社による自主検査で行われます。
ただし、床下の細部まで入念にチェックする体制が整っていない現場も存在します。
完了検査では構造や防火に関わる項目が中心で、断熱材の施工状態や配管の勾配といった細かな品質までは見ていないケースがあります。
施工会社の自主検査も担当者の経験や意識に左右されやすく、実際に床下へ潜って目視しないまま完了とする場合もあります。
床下点検で見つかる施工不良の主なパターン
床下点検では、断熱材の不備、基礎のひび割れ、配管のミス、廃材の放置、防腐処理の不備といった施工不良が見つかります。
断熱材の脱落・すき間
床下の断熱材は、床組みの下側に敷き込んだり、根太の間にはめ込んだりする形で設置されます。
施工時に固定が甘いと、時間の経過とともに断熱材が自重で垂れ下がったり、一部が外れて床下に落ちたりします。
断熱材にすき間があると、冬場に床下から冷気が室内へ侵入し、足元が冷たく感じられるだけでなく、暖房効率も下がります。
また、すき間から湿気が入り込むと結露が発生しやすくなり、木材の腐食やカビの原因にもつながります。
新築でも施工直後から不具合が出ているケースがあり、床下点検で初めて発覚することが多い項目です。
基礎コンクリートのジャンカ・ひび割れ
基礎コンクリートは家全体を支える土台であり、打設時に適切に施工されていないとジャンカ(豆板)やひび割れが発生します。
ジャンカはコンクリートの打設時に砂利と砂が分離し、表面に空洞や粗い部分ができる状態を指します。
軽度なら補修で対応できますが、範囲が広いと強度不足につながる恐れがあります。
ひび割れは乾燥や温度変化で起こる場合もありますが、幅が0.5ミリを超えるものや、斜めに走るひび割れは構造上の問題を示すことから、専門家による判断が必要です。
配管の接続ミス・勾配不良
床下には給水管・排水管・ガス管などが通っており、接続部分の施工が不十分だと水漏れやガス漏れのリスクがあります。
排水管は汚水をスムーズに流すために一定の勾配(傾き)が必要ですが、勾配が不足していると水が溜まりやすくなり、悪臭や詰まりの原因になります。
接続部分のパッキンが正しく装着されていない、配管同士の固定が緩いといった初歩的なミスも点検で見つかります。
配管の不具合は目に見えにくいため、入居後しばらく経ってから症状が現れ、修理に手間と費用がかかるケースもあります。
建築廃材の放置
床下に建築時の木材の切れ端、断熱材の端材、コンクリート片、ビニール袋などが放置されている現場があります。
廃材は本来、工事完了前に撤去すべきものですが、床下は見えにくいため、清掃が省略されがちです。
木材の廃材は湿気を含むとカビが生えやすく、シロアリの餌にもなります。
シロアリは廃材を経由して床組みの木材へ移動し、被害を広げる可能性があります。
また、ビニール袋などが床下の通気を妨げると、湿気がこもりやすくなり、結露や腐食のリスクが高まります。
防腐・防アリ処理の不備
木造住宅では、床下の木材に防腐剤や防アリ剤を塗布して耐久性を高める処理が行われます。
防腐・防アリ処理が不十分だと、木材が湿気や虫害に弱くなり、早期に劣化する原因になります。
具体的には、塗布のムラがある、塗り忘れた箇所がある、規定の濃度や回数を守っていないといった不備が挙げられます。
防腐・防アリ処理は目視では確認しづらく、施工記録や使用薬剤の証明書がなければ、本当に処理されたかどうか判断できません。
新築から5年程度でシロアリ被害が出た場合、初期の処理不良が疑われるでしょう。
施工不良を見つけたときの対応方法

床下の施工不良に気付いたら、まず記録を残しましょう。
その上で施工会社へ連絡し、場合によっては専門家の力を借りることも検討してください。
写真・動画で客観的な証拠を残す
施工不良を見つけたら、まず現状を写真や動画で記録します。
スマートフォンのカメラでも構いませんが、撮影日時が自動で記録される設定にしておくと証拠として有効です。
全体像が分かる引きの写真と、不具合箇所をアップで撮影した写真の両方を残すと、状況を説明しやすくなります。
動画では、床がきしむ音や配管から水が漏れる様子など、静止画では伝わりにくい状況を記録することが可能です。
複数枚・複数回にわたって撮影し、出来るだけ多くの角度から証拠を残しておくと、補修時の比較にも役立ちます。
施工会社へ連絡して補修期限を決めてもらう
証拠を記録したら、速やかに施工会社へ連絡しましょう。
電話だけで済ませず、メールや書面など、記録が残る形で伝えるのが確実です。
連絡内容には、不具合の場所・症状・発見日・撮影した写真を添付し、いつまでに対応してもらえるか期限を明示してもらうよう依頼します。
口頭での約束は後から「言った・言わない」のトラブルになりやすいため、やり取りは文書で残しましょう。
施工会社が現地確認に来る際は、立ち会いを求め、確認内容や今後の対応方針をその場でメモに残すか、書面で貰うようにしてください。
第三者の専門家に診断を依頼する
施工会社の説明に納得できない場合や、補修内容が適切かどうか判断できない場合は、第三者の専門家に診断を依頼します。
ホームインスペクターや建築士など、利害関係のない専門家に依頼することで、客観的な意見を得られます。
専門家の診断では、不具合の原因・範囲・補修方法の妥当性・再発リスクなどを確認してもらいます。
診断結果は書面で受け取り、施工会社との交渉材料として活用できます。
診断費用は数万円程度かかりますが、後から大きな修繕費用が発生するリスクを考えると、早めに専門家のチェックが入るほうが安心です。
施工会社が対応しないときの相談窓口
施工会社が対応しない場合の相談先として、住宅専門の支援センター、建築士会、消費生活センター、弁護士、瑕疵保険の窓口があります。
住宅リフォーム・紛争処理支援センター
住宅リフォーム・紛争処理支援センター(通称:住まいるダイヤル)は、国土交通大臣指定の住宅専門の相談窓口です。
電話での相談は無料で、建築士などの専門家が対応してくれます。
施工不良の内容や施工会社とのやり取りを説明すると、今後の進め方や法的な手続きについてアドバイスを受けられます。
また、弁護士会と連携した紛争処理サービスもあり、話し合いでの解決が難しい場合は、あっせん・調停・仲裁といった手続きを利用できます。
費用は手続きの種類によって異なりますが、裁判に比べて負担が軽く、解決までの期間も短い傾向があります。
建築士会・消費生活センター
各都道府県の建築士会では、住宅の相談窓口を設けているところがあり、建築士が中立的な立場でアドバイスしてくれます。
相談内容によっては現地調査を依頼できる場合もあるため、まずは電話やメールで問い合わせてみましょう。
消費生活センターは、消費者と事業者の間のトラブル全般を扱う公的機関で、住宅の施工不良に関する相談も受け付けています。
相談員が状況を整理し、施工会社への連絡方法や交渉の進め方をサポートしてくれます。
どちらも相談は無料で、必要に応じて専門機関を紹介してもらえます。
弁護士相談と瑕疵保険を確認する
施工会社が補修に応じない場合や、損害賠償を求めたい場合は、弁護士への相談を検討しましょう。
法律相談は初回30分5,000円程度が目安ですが、自治体や弁護士会の無料相談を利用できる場合もあります。
また、新築住宅には瑕疵保険(住宅瑕疵担保責任保険)が義務付けられており、構造や防水に関わる不具合であれば保険金が支払われる可能性があります。
保険の対象範囲や請求手続きは、住宅の引き渡し時に受け取った保証書や保険証券で確認できます。
保険会社や保証機関に連絡し、申請方法を確認しましょう。
まとめ
床下の施工不良は、完成後に確認しづらい構造や工期のプレッシャー、検査体制の不備といった理由で見過ごされやすくなっています。
断熱材の不備、基礎のひび割れ、配管のミス、廃材の放置、防腐処理の不備が代表的なパターンです。
施工不良を見つけたら、写真や動画で記録を残し、施工会社へ連絡して補修期限を確認しましょう。
施工会社の説明に不安がある場合や、客観的な判断が必要な場合は、第三者の専門家による床下点検を検討してみてください。






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