【大分県民向け】家の基礎にひび割れ?大分の気候で起こりやすいひび割れの原因と補修方法とは2025.11.11
家の基礎にひび割れを見つけると、「このまま住んで大丈夫かな」と心配になる方も多いでしょう。
ひび割れの中には自然にできるものもあれば、放置すると家の強度に影響するものもあります。
大分では気温差や湿度の影響を受けやすく、環境によっては基礎に負担がかかりやすい地域といえます。
本記事では、大分県で家の基礎のひび割れが発生する原因と確認方法、補修のポイントを分かりやすく紹介します。
家の基礎にひび割れ?まず確認したい3つのポイント
基礎のひび割れには、すぐに補修が必要なものと、経過を見ても問題無いものがあります。
まずは幅や深さ、表面の変色などを確認して、現状を正しく把握しましょう。
幅と深さで危険度をチェック
家の基礎にひび割れを見つけたときは、まず「どのくらいの幅と深さがあるか」を確認してみましょう。
幅が0.3mmを超えると、雨水がコンクリート内部まで入り込み、鉄筋が錆びてしまう恐れがあります。
鉄筋が腐食すると、基礎の強度が落ち、ひびがさらに広がる原因にもなります。
住宅の品質確保法でも、0.3mm以上のひび割れは補修が必要と定められています。
また、深さが20mmを超える欠損も劣化の基準に該当します。
表面だけなのか、奥まで達しているのかを丁寧に見ることで、今の状態が軽いものか、早急に対処すべきものかを判断しやすくなります。
表面か内部かを見極める
ひび割れの位置や深さによって、補修の必要性は大きく変わります。
モルタルの表面だけが割れている場合は、乾燥や経年変化が原因であることが多く、すぐに危険というわけではありません。
しかし、コンクリートの奥まで達している場合は注意が必要です。
内部まで割れが進行すると、鉄筋に水分が届き、腐食や膨張によってさらに劣化が進みます。
見た目では判断しづらいときは、クラックスケールなどの測定器を使って確認すると安心です。
表面だけか内部までかを正確に見極めることが、今後の補修方法を決める大切な手がかりになります。
サビ汁や雨染みが出ていないか確認
ひび割れのまわりに、茶色いシミや濡れたような跡が見える場合は、コンクリート内部に水が入り込んでいる可能性があります。
鉄筋が錆び始めると、膨張によってコンクリートが押し出され、表面が剥がれたり欠けたりすることがあります。
いわゆる「サビ汁」や「雨染み」は、見た目より深刻なサインです。
また、湿気がこもることでカビやシロアリが発生し、建物全体の寿命を縮めてしまうケースもあります。
小さなシミでも放置せず、早めに専門家に調査を依頼することで、ひび割れの原因特定につながるでしょう。
家の基礎でひび割れが起きやすい原因
ひび割れの原因は一つではなく、湿度や気温の変化、地盤の沈下、経年劣化などが複雑に関係しています。
ここでは、家の基礎でひび割れが起きやすい原因をご紹介します。
湿度や寒暖差による収縮
家の基礎に使われるコンクリートは、気温や湿度の変化に敏感に反応します。
暑い時期には膨張し、寒くなると縮む性質があるため、その繰り返しによって内部に小さな力がかかり、ひび割れが生じることがあります。
特に大分のように季節の寒暖差や湿度の変化が大きい地域では、寒暖差によるひび割れが起こりやすい傾向があります。
施工直後のコンクリートは乾燥しやすく、風通しの良い場所では「ヘアークラック」と呼ばれる細いひびができることもあります。
軟弱地盤や不同沈下の影響
地盤が柔らかい場所では、建物の重さによって一部だけ沈み込む「不同沈下」が起こることがあります。
地盤が均等に沈まないと、家の基礎にねじれや歪みが生じ、斜め方向や横方向にひび割れが発生します。
大分でも、沿岸部や粘土質の多い土地では、地盤の影響を受けやすいエリアがあります。
地盤沈下の進行を放置すると、ひび割れが拡大するだけでなく、建物全体が傾いてドアや窓が開きにくくなることもあります。
少しでも傾きや大きなひびが気になる場合は、専門家に地盤調査を依頼して、状態を確認しておくと安心です。
経年劣化と鉄筋のサビ
コンクリートは年月とともに性質が変化し、空気中の二酸化炭素や雨水の影響で「中性化」と呼ばれる現象が進みます。
本来、強いアルカリ性によって鉄筋を守っているのですが、中性化が進むと保護力が弱まり、鉄筋が錆びやすくなります。
錆びた鉄筋は膨張してコンクリートを押し広げ、表面にひび割れを生じさせることがあります。
特に大分のように湿度が高く雨が多い地域では、経年劣化が進みやすい環境といえるでしょう。
ひびの近くに茶色いサビ汁が見えるときは、内部で腐食が進行している可能性があります。
施工不良によるひび割れ
基礎の施工時に、コンクリートの配合や鉄筋の配置が適切でないと、完成後にひび割れが発生することがあります。
鉄筋を覆うコンクリートの厚み(かぶり厚さ)が不足していると、鉄筋の位置に沿って一定間隔で割れが生じやすくなります。
また、打設時に気泡が残ったり、締め固めが不十分だったりすると、コンクリート内部の密度にムラができて強度が落ちることもあります。
築年数が浅いのに基礎にひび割れが見られる場合は、施工段階の影響も考えられます。
もしも不安な場合は、建築直後の点検で早めに確認しておくと安心です。
地震・豪雨などの災害
地震や豪雨などの自然災害も、家の基礎にひび割れを引き起こす原因になります。
強い揺れを受けると、建物全体に歪みが生じて基礎部分に負担がかかります。
大分県は地震や大雨の影響を受けやすい地域でもあり、長時間の降雨によって地盤が緩むと、基礎が沈み込んでひび割れが広がることもあります。
また、雨水が基礎内部に浸透すると鉄筋が錆びやすくなり、劣化の進行を早めます。
災害の後に小さなひびを見つけたときも、見た目だけで判断せずに、専門家の点検を受けることを検討してください。
【状況別】ひび割れの補修方法
基礎のひび割れは、状態や深さによって補修の方法が異なります。
| 状況 | 主な工法 | 特徴 | 費用目安 | 工期 |
| 軽度(ヘアークラックなど) | シール工法 | 表面にシーリング材を充填して雨水の侵入を防ぐ。初期対応に最適。 | 約数百円/m | 1~2日程度 |
| 中程度(幅・深さがある) | U・Vカット工法 | ひび割れ部を削り取り、樹脂を注入して強度を回復。見た目も整う。 | 約4,000~6,000円/m | 1~2日程度 |
| 深いひび・構造に影響あり | 樹脂注入工法(低圧注入) | 内部のすき間に樹脂を圧入し、健全なコンクリート並みの強度に回復。 | 約10,000~20,000円/m | 2日程度 |
| 広範囲・耐震性を高めたい場合 | 繊維シート補強 | 高強度のアラミド繊維を樹脂で貼付し、耐震性・再発防止に効果的。 | 約20,000円~/m | 1~3日程度 |
軽度のものは表面の処理で済む場合もありますが、深いひびや広範囲に及ぶ損傷では、強度を回復させる補修が必要です。
ここでは、ひび割れの程度に応じた代表的な補修方法と、その特徴を分かりやすくまとめました。
軽度ならシール工法(低コスト)
幅がごく細いヘアークラックなどの軽いひび割れには、「シール工法」がよく使われます。
コンクリートの表面にシーリング材や樹脂モルタルを埋め込み、雨水の浸入を防ぐ補修方法です。
内部まで充填するわけではありませんが、表面をしっかり守ることで劣化の進行を抑えられます。
大分のように湿度が高い地域では、水分の影響を受けやすいため、早めのシール処理が安心です。
費用は1mあたり数百円ほどと手頃で、施工期間も1〜2日程度と短く、初期対応に向いています。
中程度ならU・Vカット工法(強度重視)
ひび割れの幅や深さがやや広い場合には、「Uカット」や「Vカット」工法が適しています。
専用のカッターで脆くなった部分を削り取り、健全なコンクリートを出してから、エポキシ樹脂などの補修材を注入します。
すると、補修材がしっかり密着し、再発しにくい強い基礎に戻すことができます。
仕上げにモルタルで表面を整えるため、見た目もすっきりときれいです。
大分のように気温や湿度の変化が大きい地域でも安定した補修ができ、費用は1mあたり4,000〜6,000円ほどが目安です。
深いひび割れは樹脂注入(強度回復)
内部まで達する深いひび割れには、「樹脂注入工法(低圧注入)」が行われます。
ひび割れの上に注入口を設置し、専用器具でゆっくりとエポキシ樹脂を圧入して、内部のすき間までしっかり充填します。
補修後は健全なコンクリートに近い強度まで回復させることが可能です。
大分のように地震や雨の影響を受けやすい環境でも、構造を強固に保てる方法として効果的です。
費用は1mあたり1〜2万円前後とやや高めですが、耐久性を重視する場合に向いています。
広範囲なら繊維シート補強(耐震性アップ)
基礎のひび割れが広い範囲にわたる場合や、全体の強度を高めたいときには「繊維シート補強」がおすすめです。
アラミド繊維という強度の高い素材をエポキシ樹脂で貼り付け、仕上げにモルタルを塗ることで見た目もきれいに整います。
繊維シートは引張りに強く、地震などの揺れにも耐えやすくなるのが特徴です。
大分のように地震や豪雨の多い地域では、再発防止と補強を兼ねた方法として有効です。
施工費用は1mあたり2万円前後が目安です。
補修後は防水塗装で再発防止
補修が終わったあとは、防水塗装でコンクリート表面を保護することが大切です。
防水塗装を施すことで、雨水や湿気の侵入を防ぎ、再びひび割れが起きるリスクを減らせます。
最近は内部の湿気を逃がしながら外からの水だけを防ぐ「透湿性塗料」もあり、基礎を長く守るのに役立ちます。
大分のように雨が多い地域では、防水処理の有無で劣化のスピードに大きな差が出ます。
補修後の仕上げとして、防水塗装までしっかり行うと安心です。
まとめ|小さなひび割れも早めの相談が安心
家の基礎に入ったひびは、小さなものでも放置すると広がってしまうことがあります。
湿気や雨の多い大分では、環境の影響を受けやすいため、早めの確認が大切です。
「この程度なら大丈夫かな」と迷うときこそ、専門家に相談を行いましょう。
フィルダ建築設計舎では、現地調査から対策のご提案まで丁寧に行っています。
気になることがあれば、お気軽にご相談ください。






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