中古住宅を購入するなら注意したいポイント|失敗やトラブルを防ぐために2025.08.19
中古住宅の購入は、新築よりも費用を抑えられることが多く、広さや立地を重視したい方にとっては魅力のある選択肢です。
ただしその一方で、築年数の古さや設備の劣化、契約内容の違いなど、思わぬ落とし穴があるのも事実です。
見た目だけでは分からない不具合や、後からかかる費用など、事前に確認しておきたいポイントは意外とたくさんあります。
本記事では、中古住宅を購入するときに知っておきたい注意点を分かりやすくご紹介します。
中古住宅は本当にお得?購入前に知っておきたい注意点とは

中古住宅は価格が抑えられている分、建物の状態や今後かかる費用に注意が必要です。
購入前に見ておきたいポイントを、順番にご紹介していきます。
新築より安いけど一定のリスクもある
中古住宅は、新築と比べて価格が手頃なことが多く、広さや立地にこだわりたい人には魅力的に感じられるかもしれません。
ただし、価格が安い背景には、それなりの理由があります。
築年数が古い住宅では、建物や設備に傷みが出ていることも多く、住み始めてから修繕が必要になるケースも少なくありません。
また、建築当時の法律や基準が今とは違っている場合、耐震性や断熱性などの面で不安が残ることもあります。
過去の災害や違法な増改築の履歴があると、追加費用や制限が発生するリスクも想定されます。
中古住宅の購入では、価格だけで判断せず、建物の状態や将来かかる費用もしっかり確認することが大切です。
築年数より「劣化具合」を見るべき理由とは
中古住宅を選ぶとき、「築年数が古いからダメ」「築浅なら安心」といったイメージで判断してしまう方は少なくありません。
しかし実際は、築年数よりも建物の状態をチェックすることで安心出来るケースのほうが多いです。
例えば、築30年でも定期的にメンテナンスされてきた家は、見た目も中身も良好なことがあります。
逆に、築10年程度でもあまり手入れされていなければ、屋根や外壁、水まわりなどにトラブルが出てくる可能性もあります。
特にチェックしたい点は、床下の湿気やシロアリ被害、配管や構造材の傷みなど、目立ちにくい場所の状態です。
見た目だけで安心せず、修繕履歴や点検記録があるかどうかも確認しながら、建物の「中身」を判断するようにしましょう。
入居後に困らないために“見えない部分”が重要
中古住宅を選ぶときは、内装のきれいさや間取りだけでなく、普段は見えにくい部分にも目を向けることが非常に重要です。
例えば、床下の配管が緩んでいたり、老朽化していたりすると、水漏れの原因になるかもしれません。
また、屋根裏には雨漏りの跡が残っていたり、断熱材が不十分だったりすることもあります。
入居後に問題が発生すると、後から修理費用がかかるだけでなく、夏の暑さや冬の寒さが辛く感じられる可能性も出てきます。
また、建物の土台や柱にひび割れや腐食がある場合は、耐震性にも影響が出る恐れがあります。
目に見えない場所は内覧だけでは確認が難しいため、専門家による住宅診断(ホームインスペクション)を受けておくと、安心して購入を検討できます。
中古住宅の不具合を見抜くためのポイント
中古住宅はパッと見ただけでは問題がなさそうでも、目に見えにくい部分に不具合が隠れていることもあります。
後から慌てないためにも、事前に確認したいポイントを見ていきましょう。
傾きや歪みは構造や地盤に要注意
中古住宅を見学しているときに、何となく床が傾いているように感じたり、ドアの開け閉めがスムーズにいかないことがあります。
小さな違和感を覚えたときには、建物の構造や地盤に関わるトラブルが隠れているかもしれません。
特に、地盤沈下や基礎の劣化が原因で建物全体が歪んでいる場合、補修には多額の費用がかかることもあります。
見た目だけでは判断しづらいため、ホームインスペクションを通して、床の傾きや基礎のひび割れなどをしっかりチェックしてもらうのが安心です。
屋根や外壁の傷みは雨漏りの原因に
中古住宅では、屋根や外壁の状態も事前に確認しておきたいポイントです。
瓦のズレや外壁のひび割れ、コーキングの劣化などがあると、そこから雨水が入り込んで雨漏りにつながる可能性があります。
見た目がきれいでも、塗装で隠れているだけのこともあるので注意が必要です。
雨漏りが起きると、天井や壁にシミができるだけでなく、木材が腐って建物の耐久性が落ちることもあります。
外回りの劣化は内見だけでは見落としがちなので、屋根や外壁、防水層などの状態をプロに見てもらうことで、安心して購入の判断が出来るようになります。
床下や柱にシロアリの痕跡が無いか確認
シロアリによる被害は、築年数の経った中古住宅で特に注意したい点のひとつです。
シロアリは床下や柱など、見えにくい場所の木材を内側から食い荒らすため、パッと見ただけでは分からないことが多くあります。
湿気の多い床下や、浴室まわり、基礎のそばなどは特にリスクが高いとされています。
売主に防蟻工事の履歴があるかどうか、いつ実施されたかを確認し、もしも5年以上経っているようであれば、改めて処理が必要になる場合もあります。
築古住宅は断熱性の低さにも注意
築年数の古い住宅では、断熱材が十分に入っていないことがよくあります。
壁の中や屋根裏や床下に断熱材が無かったり、古くなって効果が落ちていたりすると、夏はとても暑く、冬は底冷えするような環境になることもあります。
冷暖房が効きづらくなるため、電気代が思った以上にかかってしまうのも困りごとのひとつです。
さらに、室内外の温度差が大きいと、結露が発生してカビやダニの原因になることもあります。
断熱性能の有無は見た目では判断できないため、ホームインスペクションで屋根裏や床下の断熱材の状態を確認してもらうのが安心です。
中古住宅の契約・保証でトラブルを防ぐには?

中古住宅を購入するときは、契約や保証の内容が非常に大切です。
後で困らないように、事前に確認しておきたいポイントを見ていきましょう。
ホームインスペクションで建物の状態を確認する
中古住宅を購入するときは、見た目だけで判断せずに、専門家によるホームインスペクションを受けておくと安心です。
ホームインスペクションとは、建築士などの資格を持つ調査員が、住宅の状態を第三者の立場で確認してくれるサービスです。
外壁のひび割れや屋根の傷み、設備の劣化といった、自分では気づきにくい部分まで丁寧にチェックしてくれます。
もしも不具合が見逃されたまま契約を進めてしまうと、購入後に高額な修繕費がかかってしまうこともあります。
ホームインスペクションの有無が後々の満足度に大きく影響してくることもあるので、契約前に依頼するのがおすすめです。
瑕疵保険で“後から見つかる不具合”に備える
中古住宅を買ったあとに、思わぬ不具合が見つかることは珍しくありません。
今後の万が一に備える意味でも、「瑕疵保険」に加入しておくと安心です。
実際、雨漏りや配管の不具合といった目に見えにくいトラブルが、入居後に発覚することもあります。
瑕疵保険に入っていれば、修理にかかる費用をカバーしてもらえるケースがあります。
特に築年数の長い物件では、劣化が進んでいる部分があっても見つけにくいため、瑕疵保険は心強い味方になります。
保険の補償内容や期間はプランによって異なるため、購入前にしっかり内容を確認しておきましょう。
契約書では「不適合責任」をしっかりチェック
中古住宅の契約を結ぶときは、「契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)」について、しっかり確認しておきましょう。
契約不適合責任とは、引き渡し後に説明されていなかった不具合が見つかった場合、買主が売主に対して修繕や代金の減額を請求できるというものです。
例えば、配管の不具合や雨漏りといったトラブルが、契約時に説明されていなかった場合が該当します。
売買契約書には、不適合責任の範囲や、申し出ができる期限などが細かく記載されています。
万が一に備えて、気になる項目がきちんと盛り込まれているかを確認し、必要であれば契約前に修正をお願いしておくと安心です。
中古住宅の費用やローンについての注意点
中古住宅を購入するときは、物件の価格だけでなく、リフォーム費用やローンの条件など、費用の面で気をつけたい点がいくつかあります。
リフォーム費用は事前にざっくり把握しておく
中古住宅を購入するときは、物件そのものの価格だけでなく、リフォームにかかる費用も事前に考えておくことが大切です。
特に築年数の古い物件では、水回りの交換や内装の修繕、断熱性の向上など、様々な工事が必要になるケースがあります。
内容によっては数十万〜数百万円単位になることもあるため、購入前の段階でリフォーム業者に相談したり、大まかな相場を確認しておくと安心です。
後から慌てないためにも、ざっくりとした費用感を持っておくことをおすすめします。
一体型ローンならまとめて借りられる
中古住宅を購入する際にリフォームも予定している場合は、「一体型ローン」の利用を検討してみると良いかもしれません。
住宅購入費とリフォーム費用を合わせて借りられるローンで、ローンを別々に組む手間が無くなり、金利や返済期間も一本化できます。
資金のやりくりをまとめやすくなるので、初期費用の負担を抑えたい方にも向いています。
ただし、全ての金融機関が対応しているわけではないため、事前に相談して条件を確認しておくと安心です。
築年数によってはローン減税も使える
中古住宅でも、条件を満たせば住宅ローン控除(減税制度)を利用できます。
例えば、木造の戸建てなら築20年以内、鉄筋コンクリート造のマンションなどは築25年以内というのが基本的な目安です。
築年数を超えていても、耐震性能を満たしていることが証明出来れば対象になることがあります。
例えば、耐震基準適合証明書や既存住宅売買瑕疵保険への加入などが必要です。また、返済期間が10年以上あるローンであることも条件です。
減税制度の適用可否は節税に関わる重要なポイントなので、忘れずに確認しておきましょう。
中古住宅の購入で後悔しないために
中古住宅の購入では、見た目がきれいでも、目に見えない部分に不具合が隠れていることがあります。
リスクを避けるためにも、購入前にホームインスペクション(住宅診断)を受けておくと安心です。
専門家の目で建物全体を確認することで、構造の劣化や配管の不備、シロアリ被害などを早めに把握でき、後の修繕費を抑えたり、価格交渉の材料にもなります。
診断結果をもとにメンテナンス計画を立てておけば、将来の住まいに対する見通しも立てやすくなるでしょう。
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中古住宅の購入を前向きに進めたいとお考えの方は、ぜひ一度フィルダ建築設計舎までお気軽にご相談ください。
ホームインスペクションを通して、納得のいく住まい選びをお手伝いいたします。