住まいのトラブルを防ぐ!一級建築士による安心のホームインスペクション

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ホームインスペクションって本当に必要?中古住宅の見えないリスクを防ぐコツとは2025.07.11

中古住宅の購入を考えるとき、「この家、ちゃんと住めるかな?」と少し不安になることはありませんか?

築年数が経っている物件では、外から見ただけでは分からない劣化や不具合が隠れていることもあります。

そんなときに頼りになるのが、専門家による住宅診断「ホームインスペクション」です。

建物の状態を第三者の視点でチェックしてもらえるので、購入前の判断材料として、非常に役立ちます。

本記事では、中古住宅で注目されているホームインスペクションについて、基本の内容から費用、タイミングや注意点まで、やさしく解説していきます。

ホームインスペクションって?中古住宅で注目される理由とは

ホームインスペクションは、中古住宅を購入する前に、建物の状態をしっかり確認してもらうための調査です。

後から見つかりやすい不具合を、第三者の目で丁寧に点検してもらえるのがポイントです。

中古物件で劣化が起きやすいのは基礎・屋根・水回り

中古の一戸建てやマンションでは、築年数が経つにつれて建物のあちこちに傷みが出てきます。

中でも劣化が見つかりやすいのが「基礎」「屋根」「水回り」です。

例えば、基礎にひびが入っていたり、屋根の瓦がズレていたり、雨どいが歪んでいたりすることがあります。

お風呂やキッチン、トイレなどでは、水漏れや排水の詰まり、古くなった設備の不具合などもよく見つかります。

見た目では分かりづらいことが多いため、購入前にホームインスペクションを受けておくと安心です。

当日の流れと所要時間について

ホームインスペクションは、建物の状態をしっかり確認するために、プロのインスペクターが住宅全体を丁寧にチェックします。

所要時間は、おおよそ2〜3時間程度が一般的です(住宅の広さや調査範囲によって前後します)。

主な流れは、以下の通りです。

チェック箇所内容の一例
① 外まわり基礎のひび割れ、屋根のズレ、外壁の傷み、バルコニーの防水など
② 室内壁や天井のシミやはがれ、床の傾き、サッシや扉の動作確認など
③ 設備キッチン・浴室・トイレなどの水漏れ、排水、電気の動作確認など
④ オプション(希望時)屋根裏や床下に入り、見えにくい部分の状態を確認

調査が終わった後は、その場で概要を口頭で説明してもらえます。数日後には、写真付きの詳しい報告書が届きます。

ホームインスペクションの費用相場の目安

ホームインスペクションの費用は、依頼する範囲や建物の大きさによって変わりますが、基本調査で5万5,000円(税込)前後がひとつの目安です。

以下に、一般的な料金についてまとめました。

調査内容費用(税込)備考
基本調査約55,000円外まわり・室内・設備の調査、報告書つき
屋根裏・床下の追加調査約25,000円希望者のみ。構造や配管の状態を詳しく確認
延床面積が広い場合+10,000〜20,000円130㎡を超えると追加料金が発生することも
指摘箇所の再調査約25,000円必要に応じて別途依頼が可能

※エリアによっては、遠方費用がかかる場合もありますが、無料で対応してくれる業者もあります。

事前に調査内容と料金を確認しておくと、安心して依頼できます。

ホームインスペクションを行わなかった場合のトラブルとは

中古住宅をホームインスペクション無しで購入すると、後から思わぬ不具合が見つかって、困ってしまうこともあります。

見えない場所の劣化は、住み始めてから気付くことが多いものです。

シロアリ被害で床下がスカスカ…

中古の一戸建てでは、床下の見えない部分にシロアリの被害が進んでいることがあります。

特に湿気がこもりやすい場所では、木の柱や土台が食べられてスカスカになってしまうケースもあります。

床下の被害を放置してしまうと、床がギシギシきしんだり、歩くと沈んだりと、暮らしにくさを感じるようになります。

被害の程度によっては、修繕にかなりの費用がかかることもあります。

シロアリの被害は、見ただけでは分かりませんが、床下に入ってチェックするオプション調査を受ければ、購入前に気付ける可能性があります。

水回りの不調が続いて、結局リフォームすることに

中古住宅では、水回りのトラブルが後から見つかることも少なくありません。

例えば、キッチンやお風呂の蛇口から水がポタポタ漏れたり、トイレの水が流れにくかったりと、ちょっとした不調が重なることがあります。

水回りの不調が続く原因は、古くなった配管のゆるみやサビ、内部の汚れなどが挙げられます。一時的な修理で直らないことも珍しくありません。

結局、思い切ってリフォームをすることになり、費用がかさんでしまうケースもあります。

見た目がきれいでも、水回りの状態は分かりにくいため、購入前にきちんと点検しておくと安心です。

雨漏りや傾きといった、入居後に気付くトラブルも

住宅を購入して暮らし始めてから、雨漏りや建物の傾きに気付くケースも見受けられます。

例えば、ふと天井を見上げたときにシミを見つけて、後から雨漏りだったと分かることもあります。

屋根や外壁のすき間から雨水が入り込んでいると、知らないうちに室内まで被害が広がってしまいます。

また、床が片方に傾いていたり、ドアがきちんと閉まらなかったりすると、建物全体が歪んでいる可能性もあります。

雨漏りや傾きといった不具合は、内見のときに見落としやすいため、事前にホームインスペクションを受けることで早めに気付けます。

ホームインスペクションを行うタイミングとは

中古住宅の購入申込の直後がベスト

中古住宅を購入すると決めたら、購入申込を行った直後にホームインスペクションをお願いするのが最も安心です。

購入申込の直後のタイミングなら、ホームインスペクションの調査結果をもとに、実際に契約するかどうかをじっくり考えることができます。

物件に気になる点が見つかっても、まだ契約前なので慌てずに検討できます。

不動産会社に事前に「インスペクションを受けたい」と伝えておけば、スケジュールの調整もしやすくなります。

購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、購入申込の直後のタイミングでの実施がおすすめです。

契約前に実施すれば、不具合の発見が交渉材料になることも

契約の前にホームインスペクションを受けておくと、もしも住宅に不具合が見つかったときに、調査内容を踏まえて売主と相談できる可能性があります。

例えば、外壁のひびや床下の傷みなどが確認されたら、「契約前に修繕してほしい」「その分、価格を調整してほしい」といった交渉の材料になります。

もちろん、全てが思い通りにいくわけではありませんが、調査結果をもとに冷静に話し合うことができるのは大きなメリットです。

後から気が付いて困る前に、契約前のタイミングをしっかり活用しておくと安心です。

契約後に行うなら、修繕の可否や自己負担の範囲をチェック

既に契約を済ませたあとでも、ホームインスペクションを受けることはできます。

ただし、不具合が見つかっても価格の交渉などは難しくなるため、「どこに問題があるのか」「自分で修繕ができそうか」などを確認する目的で、調査を行うことになります。

例えば、水回りの老朽化や床下の湿気、屋根裏の断熱材の劣化など、自分で気が付きにくい部分をチェックするのに役立ちます。

引っ越し前に家の状態を把握しておけば、後からのトラブルも減らせますし、必要な修繕の準備もしやすくなります。

中古住宅のホームインスペクションの業者選びのコツ

ホームインスペクションは、中古住宅を安心して購入するために、どのタイミングで行うかが大事なポイントです。

契約の前後でできることが少し変わるため、各々の違いを知っておくと、落ち着いて進められます。

建築士などの資格だけでなく、実績や対応力をチェック

中古住宅のホームインスペクションを依頼するときは、「資格があるかどうか」だけでなく、「これまでにどんな経験があるか」や「相談への対応が丁寧かどうか」も見ておくと安心です。

例えば、「既存住宅状況調査技術者」という資格は、住宅診断のために専門的な講習を受けた人のみ取得できます。

ただし、資格があるからといって安心というわけではありません。

メールのやり取りがスムーズか、質問にわかりやすく答えてくれるかなど、きめ細やかな対応もポイントです。

診断範囲が曖昧な業者は避けたほうが無難

ホームインスペクションは、業者によって調査内容に差があることもあります。

国で定められた最低限の基準で点検する場合もあれば、それ以上に詳細に調査してくれる場合もあります。

例えば、床下や屋根裏のように普段は見えない部分までしっかり診てくれると、後から「見落としがあった…」と後悔せずに済みます。

業者のホームページに調査範囲が明記されているか、事前に説明をしてくれるかなどを確認しておくと安心です。

説明が丁寧な業者は、報告書の質も高い

調査が終わると、診断内容をまとめた「報告書」が貰えます。

報告書には、見つかった不具合やメンテナンスのアドバイスなどが書かれています。業者によって、報告内容の丁寧さには相当な差があるのが実情です。

もしも説明が分かりやすく、質問にもきちんと答えてくれる業者であれば、報告書の質も高いはずです。

不安なときは、事前にサンプルを見せてもらえるか聞いてみましょう。

まとめ

中古住宅を購入するときは、建物の状態をしっかり把握しておくことが大切です。

一見すると問題が無さそうな箇所も、基礎や屋根、水回りなどに傷みがある場合もあり、住み始めてから気付いて困ることもあります。

床下の湿気やシロアリの被害など、自分では確認しにくい部分もあるため、ホームインスペクションでプロに見てもらうと安心です。

納得のいく家選びのために、出来ることから少しずつ備えていきたいですね。



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